改正犯罪収益移転防止法
平成28年10月1日施行される「改正犯罪収益移転防止法」について書きます。 ※正式名称は、「犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律」 「犯罪収益移転防止法」は、金融機関で口座開設時に説明を受けたり、 行内のポスターをみて知っている方は多いのではないでしょうか。 今回の改正は、マネー・ロンダリングの対策を強化したものです。 主な変更点は、以下の通りです。 ①顔写真のない本人確認書類を提示する場合、別の確認書類等が追加されます。 ②法人を代表して取引を行う担当者に対する確認方法が厳しくなります。 ⇒社員証が使用できなくなります。 ③法人の実質的支配者に該当する自然人を特定し、その方の特定事項の申告が求められます。 ④特定取引の範囲の拡大 規制の対象となるのは、金融機関だけではなく、「特定事業者」と呼ばれる事業者です。 宅建業者や行政書士等も「特定事業者」です。 今回は以上です。 では次回まで。
マイナンバー制度ついて
今回はマイナンバー制度について書きます。 この法律の正式名称は「行政手続における特定の個人を 識別するための番号の利用等に関する法律」(以下「番号法」といいます。) というとても長いものです。 「通知カード」が送付された頃(昨年の10月以降)は、ニュース等で 大きく取り上げられました。しかし、約1年経った現在は「そういえば そんなこともあったなぁ」という方が多いのではないでしょうか。 そこで、マイナンバーは何に利用するのか改めて確認したいと思います。 番号法によって、 ①社会保障 ②税 ③災害対策 と利用目的は限定されています。 今後は、銀行口座等への利用拡大が検討されています。 ※「法人番号」は「個人番号」と異なり、利用範囲の制約がないため、 誰でも自由に利用できます。こちらは、公表されています。 「個人番号」は、本人の同意があったとしても、番号法で明示的に定められている 場合を除き、第三者に提供できないので注意が必要です。 罰則も強化されています。 そのため、社内の体制作りや従業員の方への教育等が求められます。 開始から約1年。「通知カード」
遺言③
山口県で行政書士をしている森次です。 今回は、【公正証書遺言】について書きます。 公正証書遺言は自筆証書遺言に比べて費用がかかります。 公正証書の作成費用は、手数料令という政令で定められています。 遺言の目的財産の価格に応じて料金が上がっていきます。 (目的財産) (手数料) 100万円まで ⇒ 5,000円 200万円まで ⇒ 7,000円
500万円まで ⇒ 11,000円
1000万円まで ⇒ 17,000円
3000万円まで ⇒ 23,000円
5000万円まで ⇒ 29,000円
1億円まで ⇒ 43,000円 1億円を超える部分については省略します。 ※手数料は譲り受ける人ごとに計算。 また、遺言加算というものがあり、全体の財産が1億円以下 の場合は上記の金額に11,000円を加算します。 例えば、妻に800万円子供1人に400万円の場合、 17,000+11,000+11,000(遺言加算)=38,000円 公証人の手数料がかかります。 しかし、公正証書で作成されるメリットもございます。 ◎法的に瑕疵
成年後見制度③
山口県で行政書士をしている森次です。 今回は任意後見契約の3つの利用形態について書きます。 ①将来型任意後見契約 …任意後見契約の基本といえる契約形態です。 すぐに支援を必要とはしていないが、将来、認知症等により判断能力が低下したときに 備えて契約します。 財産管理や介護等、ご本人の意思決定を尊重し実現するものです。 ※任意後見契約のみの契約です。 ②移行型任意後見契約 …ご本人の判断能力には問題はないが、身体の自由がきかず、費用の支払い等、 日常生活に関する取引の支援を必要としている人にご利用されています。 ⇒任意後見開始前の期間も支援します。 ※任意後見契約と同時に別の委任契約を締結します。 ③即効型任意後見契約 …すぐに任意後見による支援を開始される方のための契約です。 既に判断能力が低下しており、法定後見の「補助」又は「保佐」に該当される方で、 法定後見によらないで成年後見制度を利用したい方が主な対象です。 任意後見人の報酬も明確です。 将来、財産管理や支払い手続きの支援を受けるためにいざというときに 備えてご利用を検討されるのも如何でし
「地域猫」について
山口県で行政書士をしている森次です。 今回は、「地域猫」について書きます。 先ずは、犬や猫が全国で1年間にどの位殺処分されているかご存知でしょうか。 平成26年度実施された犬猫の殺処分は、合計101,338匹でした。 犬の殺処分は21,593匹、猫の殺処分は79,745匹と 猫が圧倒的に多いです。(環境省 統計資料より) そこで「地域猫活動」の存在を、野良猫が増えて困っている人や 助けてあげたい人に知って頂ければと思います。 「地域猫」とは、【山口県地域猫活動ハンドブック】によると、 地域住民の認知と合意が得られている、特定の飼い主のいない猫 と記載されています。(山口県のHPからダウンロードできます) 活動の目的は、将来的に飼主のいない猫をなくしていくことにあります。 まだ始まったばかりの活動で、県内では数件程度で普及はこれからです。 この地域猫活動をするためには、地元住民の合意と協力が重要になってきます。 金銭の負担も大変ですが、不妊治療に対し市や町によっては助成金が出る自治体もあります。 また、<地域猫活動お届け講座>という講師派遣も実施し
土地の価格
山口県で行政書士をしている森次です。 今日は雨が降り少し肌寒く感じます。 今回は、「土地の価格」について書きます。 価格には、一般的に「一物四価」とも「一物五価」と呼ばれるものがあります。 ※公的価格は②~⑤です。 ①実勢価格(取引価格) 実際に取引される価格 ②公示価格 基準日⇒毎年1月1日 公表日⇒3月下旬 決定機関⇒国土交通省 目的⇒売買の目安等 公示価格のと比較⇒ - ③基準値(標準)価格 基準日⇒毎年7月1日 公表日⇒9月下旬 決定機関⇒都道府県 目的⇒売買の目安等 公示価格のと比較⇒ 100% ④相続税評価額(路線価) 基準日⇒毎年1月1日 公表日⇒7月初旬 決定機関⇒国税庁 目的⇒贈与税、相続税を算出する際の基礎 公示価格のと比較⇒ 80% ※路線価は国税庁のHPでも閲覧ができます。 ⑤固定資産税評価額 基準日⇒原則3年ごとの基準年度の前年1月1日 公表日⇒3月1日 基準年度は4月1日 決定機関⇒市町村、東京23区については東京都 目的⇒固定資産税、不動産取得税、登録免許税等の算出 公示価格のと比較⇒ 70% 国土交通省のサイトには
合同会社について
おはようございます。 山口県で行政書士をしている森次です。 今回は「合同会社」について書きます。 合同会社という名前は聞いたことがあっても具体的にどういった会社か知っている方は 多くはないのでしょうか。簡単に申し上げると 「設立費用と維持費用が株式会社より安価に設立できる会社」 です。 株式会社と合同会社の比較として ◎設立にかかる登録免許税 株式会社 最低15万円 ⇔ 合同会社 6万円 ◎公証役場による定款認証手数料 株式会社 5万円 ⇔ 合同会社 不要 ◎決算公告 株式会社 義務 ⇔ 合同会社 必要なし 他にも役員の任期、意思決定等の違いがございます。 合同会社の知名度は低いですが、誰もが知ってる有名企業も合同会社です。 例えば、アップルジャパン合同会社、ユニバーサルミュージック合同会社、合同会社西友等 創業される方で初期費用を抑えたい方、「社長」の肩書を持ちたい方、個人事業主ではなく会社組織 にされたい方等一度ご検討されては如何でしょうか。 以下ご参考: 合同会社は平成18年5月1日より新会社
空き家③
おはようございます。 山口県で行政書士をしている森次です。 今回は「相続空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」について紹介します。 この特例は、平成28年度税制改正により租税特別措置法が一部改正され創設 平成28年4月1日に施行されました。 この特例は一定の条件のもと、空き家の譲渡所得の3,000万円を控除することが できるというものです。 適用期間は、「平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間の譲渡」 であることとされています。 注意しなければならないのは、相続した空き家なら何でもよいわけではないことです。 ◎昭和56年5月31日以前に建築されている家屋でなければなりません。 ※区分所有建物は除きます。 その他にも条件があり、 ◎相続開始直前に被相続人以外に居住をしていたものがいない ◎相続日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡すること ◎譲渡した家屋又は敷地は、相続の時から譲渡(除却)の時まで事業、貸付又は居住の用に使われていない ◎譲渡価格1億円以下 ◎家屋を譲渡する場合、現行の耐震基準に適合 そし
遺言②
おはようございます。 山口県で行政書士をしています森次です。 今回は【遺言】について書きます。 遺言のルールについては、民法960条以下に規定されています。 何歳からできるのか ⇒ 法律上は、15歳以上となっています(961条)。 書き方にルールはあるか ⇒ 規定されています(967~984条) 2人以上共同で作成して良いか ⇒ 禁止されています(975条) この他にも判例等もございます。不備があると無効になる可能性もあります。 この遺言という制度は、資産家の人だけ利用するものではありません。 遺言書を作成することで(エンディンノートでも良いですが)、親族関係、財産、気持ちを整理し、 次の世代に円滑に想いや財産を伝える機会にもなります。 遺言を作成する前には必ず、「相続関係説明図」と「財産目録」を作成します。 遺言書作成の準備としてもご利用頂けます。 ご自宅等訪問出張致します。 お気軽にお問い合わせください。 では次回。
成年後見制度②
おはようございます。 山口県で行政書士をしている森次です。 【任意後見制度】について書きます。 前回も少しふれましたが、今回は制度の役割について追加します。 任意後見制度は、判断能力がある方が将来に備えて 誰に どんな事務を委任 するかを オーダーメイドで契約内容を作成、 公正証書により締結し、病気やケガ等で判断能力が低下したときに家庭裁判所が 後見監督人を選任してからスタートします。 したがって、公正証書で契約を締結しただけでは支援はスタートしません。 あくまでも、後見監督人が選任されてからになります。 つまり、判断能力が低下したときに備え、どんな老後にしていきたいか等をあらかじめ定められます。 まさに一種の保険としての役割があります。 保険はできれば利用しない方が良いです。しかし、将来どうなるか予測できません。 私自身も数年前入院したときは、まさか保険を利用するとは思っていませんでした。 保険に入るかどうかは自由です。ただ、こういう保険的な制度もあることを多くの方に知って 頂きたいと思います。 公正証書で任意後見契約を締結しても、途中で解約(